債務整理(任意整理)時に和解内容に盛り込むべきポイント

債務整理(任意整理)時に和解内容に盛り込むべきポイント

362view

2018.07.05

任意整理はどのようなときに行う、その目的とは?

堅実に毎日の生活を送っていても、不意の出費で消費者ローンなどに頼らざるを得なくなることはあります。しかし、それはあくまで一時的な回避策として、常時利用するものではありません。ところが、突然の勤務先の倒産などの不慮の事態や、景気が良かった頃の無駄づかいの癖が直らないなどの悪癖で、ついつい借金を重ねてしまい、ついには返済計画が破綻してしまうことがあります。

このような時に取るべき方法はいくつかありますが、その1つの方法が任意整理という方法です。

自己破産という多くの借金の帳消しにしてしまう切り札もありますが、自己破産はその後の生活においても多くのリスクを抱えます。言わば社会的信用が0になってしまうのですから、少額のローンさえ組むことが難しくなります。

そのような極端な方法を取るよりは、コツコツと苦労しながらでも借金を返済する方法が任意整理です。

任意整理は、現在の利息、現在の毎月の借金額だと債務者の生活が成り立たない状態にあるときに検討される借金清算方法の1つです。利息や毎月の返済金額について、債務者と相談します。そして、債務者の生活が破綻しない程度の新たな返済計画を立て直し、双方で和解契約書を交わすことをいいます。

自己破産の手続きは、裁判所の審判が必要です。任意整理は極端に言えば、債務者と債権者だけで実施することができるので、比較的手間がかかりません。とはいえ、交渉に当たっての利息の引き直し計算や、交渉ごとは専門家に任せる方が確実です。任意整理の経験が豊富な弁護士へ依頼するのがよいでしょう。次節では、任意整理の具体的な中身を紹介していきます。

和解交渉の中身、どのような話し合いを行うのか?

返済し続けるのが大変になった借金を、どうやって相談で払える状態にしてくれるのでしょう。素人の多くは、複数の消費者金融を利用していたり、同じ会社でも次々に借り足したりしているので、いつから始まった借金がいつまで続くのか、どの借金の残高はどれくらいか、どの借金の利息は何%など、返済についての具体的な情報がほとんど把握できていないケースがほとんどです。

そこで、まず行うことは債務総額を明らかにすることです。現在の借金の利息は利息制限法により、15〜20%と定められています。ところが、長期間の借金がズルズルと続いてしまっているような場合、利息制限法を超える金利でお金を借りてしまっている場合があります。

この場合、過払い金が発生しているケースもあるので、引き直し計算をし、以降の返済計画についても正しい利息で計算しなおします。

これらの計算によって、最初にまとめていたよりも借金額が思った以上に減額になるケースもあります。しかし、目的は借金返済が債務者の生活を壊さない程度に抑えることです。従って、状況によっては、これ以上の借金減額について、債権者と交渉を重ねます。これは、何度も経験を積んだ弁護士だからこそできる交渉術といってよいでしょう。

債権者は、過払い金の引き直しはともかく、それ以上の減額交渉に応じる法的根拠や義理はありません。そうはいっても、自己破産されて全く返済されなくなっても困るし、このくらいの減額ならなんとかといったさじ加減を巧妙に提示していくのが、ベテランの交渉術なのです。

例えば、過払い金が発生していた場合、その過払い金の扱い方1つにもテクニックがあります。借金の総額の返済に引き当てるにしても、利子分の返済に引き当てるか、元本の返済にしてもらうかで、借金総額が大きく変わってきます。

借金総額がまとまってくれば、具体的な返済方法を相談します。多くの場合、3年か5年の分割払いで行われます。しかし、この時点でもし、親戚や親兄弟の支援が受けられるようであれば、一括返済を選ぶのもありです。一括返済とすることで、さらに借金額が減額される可能性もあります。

これまでは、債権者にいろいろと譲歩してもらう項目ばかりでした。和解交渉では、債務者だけでなく債権者にも有利な条項が加えられるのも、必要なことです。これは、期限の利益喪失約款をつけることで行います。これは分割払いの約束を怠った場合は、和解条件が破棄され、残金を一括で支払うということです。

和解契約書に記載すべき内容

和解契約とは

無事に和解合意に至ったら、和解契約書を作成します。和解契約とは、「お互いに歩み寄り、譲歩し合い、合意内容を形成した契約」です。どちらかに負荷がかかったり、無理強いしたりした点がないように、公平な和解を目指しましょう。

和解内容は、和解契約書を作成しお互いが証拠として保管します。万が一、今件がこじれて裁判になるようなことがあったときに、和解契約書は重要な証拠にもなります。それでは、和解契約書に記入すべきことを、1つずつ説明しましょう。

借金(解決金)総額の確認

まずは、最終的な借金総額についての合意を明記します。元々は借金あるいは債権、債務と呼ばれるお金ですが、和解契約書なので、解決金、和解金と記載する方がよいでしょう。ここで借入金のように記入すると、それについての利息や遅延損害金云々といったトラブルが起きる可能性があります。

残額の支払い方法

和解交渉の中でまとまった、和解金の支払い方法について具体的に明記します。一括払いなのか、それならその期日はいつまでなのか。分割払いなら、いつからいつまでの何回払いなのか、毎月の支払い期日はいつまでなのか、を書面上に記載します。36回とか60回で割った場合、端数が出る可能性があるので、その扱いについても明記しておきます。

期限の利益喪失・遅延損害金

和解金の分割払いが、支払い期日に遅れた場合、和解契約は失効し、残高を一括で返済しなくてはならなくなります。和解契約は、債務者に有利な内容ばかりになっているので、債権者側にも配慮して、債権者に有利な条項を入れるのが一般的です。

しかし、この条項にも、「債権者が請求しない限り、債務者は期限の利益を失うことはない」といった但し書きがつけられており、債務者へ配慮されることが多いです。

だからといって、支払い期日を軽く見るのは大変危険です。せっかくまとまった和解契約が、無駄になる可能性もあるとしっかり心に刻んでおきましょう。また、遅延が発生した場合の遅延損害金について併記されることもあります。

債権債務の清算

これは、この和解契約書に記載されているもの以外に、債権者と債務者間で執り行われるべき義務はないことを確認するための一文です。後日、他の借金があったから、これは別に払ってくれ、といったトラブルを防ぐためのものです。

その他、和解契約書に記入すべきことがあれば、併記しても構いません。以前の借金に連帯保証人などが付いていた場合、それを外すといった取り決めをすれば、そのことも記載した方がよいでしょう。和解契約書は、互いの合意事項を明確にするためのもので、法律的な約束事はありません。必要なことをきちんと明記することがもっとも大切なことです。

任意整理を成功させるためのコツ

以上、任意整理における和解契約の目的、流れを紹介いたしました。簡単にいえば、借金をした相手と具体的な返済計画を再検討してもらうだけのことですが、プロの賃借業者と利息云々や条件の譲歩といった詳細な項目を話し合うには、こちらもプロの知恵と技が必要になります。任意整理の相談を受け付けている弁護士などに相談するのがよいでしょう。

うまくいけば、先の見えなかった返済生活に希望が見える任意整理ですが、常に上手くいくとは限りません。債権者によっては、任意整理の交渉に頑として応じないケースもありえます。弁護士は粘り強く、交渉はしてくださると思いますが、状況によっては個人再生や自己破産などの他の手段を取らざるを得なくなることもあります。

一番大切なのは、そのような状況に陥らないようなお金の使い方をすることです。そして、まずいと思ったら早めに専門家に相談するようにしましょう。

このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪

みんなに役立つ情報をお届けします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

あわせて読みたい関連コラム

掲載中のコラムを見る