債務整理の際に必要になる予納金とは?その種類や内容について

債務整理の際に必要になる予納金とは?その種類や内容について

309view

2018.07.05

債務整理における予納金についての概説

予納金とは?

借金を減額したり、免除したりして、人生をやり直すための手続きとして有効な債務整理。債務整理にはさまざまな種類があり、ケースに合ったものを選ぶ必要がありますが、そのうち代表的なものの一つが自己破産です。自己破産の手続きをするためには、裁判所に予納金を納める必要があります。まずはこの予納品について簡単に説明しておきましょう。

自己破産申請をする人は、手続きにかかる費用をあらかじめ裁判所に支払う必要があり、この費用のことを予納金と呼んでいます。破産するにはさまざまな人の手を借りなければならず、そのための費用が発生します。

予納金はそうした自己破産にかかる費用に当てられるためのもの。本来であれば、破産管財人が管理する破産者が有する財産の全体を意味する「破産財団」から支出されるべきとも考えられますが、個人による自己破産の場合は、破産財団と呼べるほどの財産がなく、手続きを進めることができません。

そのため、必ず必要になる費用について、裁判所が予納金というかたちで一時的に預かることで、自己破産の手続きを進めやすくしているわけです。
自己破産の際の予納金は、実際どのようなことに充当されるのか、次の項で詳しく見ていきます。

債務整理における予納金の内容

手数料

予納金が充当されるものの中でいちばん基本的なのが、自己破産の手続きをするのに必要になる手数料です。手数料の金額については、破産の内容によって少し変わってきますが、おおむね個人の場合で1,500円となっていて、収入印紙によって支払うことになっています。

官報公告費

自己破産の手続きをする際、情報が官報で公告されます。その官報において公告するのに必要な費用も予納金の中に含まれています。具体的な金額は、ケースによってまちまちですが、おおむね1万円から1万6,000円程度であるのが一般的です。

郵送費用

債権者に対する通知などを行う必要があるため、自己破産を申し立てる際には、申立書に郵便切手を添付する決まりになっています。郵送にかかる費用はケースや裁判所によって変わってきますが、5,000円くらいを相場と考えてよいでしょう。予納金として明確に扱われるわけではありませんが、この郵送にかかる費用もあらかじめ納める必要があるという意味では、予納金といえるでしょう。

引継予納金

個人が自己破産する場合に必要な予納金のうち、もっとも高額なのが引継予納金と呼ばれるものです。これは、破産管財人に対して支払われる報酬に充当されます。自己破産した場合、手続きを終えた後に破産管財人に対して報酬を支払うとなると、経済的な理由で実現が難しくなる例が少なくありません。

つまり、それでは破産管財人に対して報酬が出ないことになり、無報酬となる可能性があるとなれば、破産管財人を引き受ける人の数が大幅に減ってしまうことは目に見えています。そうした事態を招かないよう、自己破産の手続きを進める前に破産管財人への報酬を押さえておこうというのが、引継予納金が設けられた理由です。

後で詳しく説明しますが、この引継予納金が発生するのは、自己破産のすべてのケースではありません。管財事件が適用される一部の場合にのみ必要になる費用です。この引継予納金がいくらになるかはケースや裁判所によってまちまちですが、20万円から30万円程度となることが多いようです。

ちょっと高いようにも思えますが、引継予納金をある程度まとまった額としておくとことで、むやみに破産を申し立てるのを躊躇させる効力があるといわれています。

管財事件・同時廃止となった場合の予納金について

管財事件とは?

すべての自己破産で引継予納金が発生するわけではないと説明しましたが、それについて詳しく解説します。自己破産の手続きは、管財事件と同時廃止事件とに大別できます。破産手続きとは、破産した人が有する財産を金銭に換え、債権者に平等に弁済したり、配当したりすることをいいます。

そのため、破産した人がどれほどの財産を持っているのかをきちんと調査し、管理することが欠かせません。ところが、これらの業務内容は多岐にわたるため、すべての業務を裁判所が行うのには限界があります。

そのため、財産の管理などは裁判所が選んだ破産管財人に外注することになっているのです。この破産管財人には、破産管財人として登録されている弁護士が務めるのが一般的です。

管財事件とは、この破産管財人が必要になるような破産手続きのことで、一般的な自己破産の手続きとして知られています。個人が自己破産する場合、財産も比較的少ないため、手続きは簡単なものとなる傾向があります。ですから、通常管財事件ではなく、少額管財事件と呼ばれる簡易的な手続きが行われるのが一般的です。

同時廃止とは?

破産手続は、破産した人が有する財産を金銭に換えて、債権者に対して平等・公平に弁済したり、配当したりすることを目的としています。そのため、金銭に換えられる財産がないとはじめからわかっているケースでは、あえて破産管財人を立てる必要がありません。

無駄なコストを発生させないためにも、破産手続きの費用を支払う必要がないと認められる場合、破産手続きを始めるのと同時に、破産手続きを廃止してよいことになっているのです。破産の手続きに必要な費用を支払えないことがわかっているため、できるだけ早く手続きを停止してしまおうというわけです。

こうしたケースでは、破産手続きの開始・廃止が同時に行われることから、同時廃止といわれています。

同時廃止は、破産管財人を立てないわけですから、手続きが簡単で費用が比較的かからないのが特徴です。どちらかというと例外的な手続きとして位置づけられますが、個人の自己破産の場合、同時廃止となることが決して少なくありません。

管財事件の予納金が支払えない場合

積み立てでの支払いが一般的

管財事件となった場合、引継予納金は数十万円程度になるのが普通です。ところが、債務整理しているわけですから、数十万円でも簡単に捻出できない場合が少なくありません。予納金をすみやかに納付できない場合、裁判所が数ヶ月の猶予をくれるのが普通です。

裁判所によって細かい対応は異なりますが、審問があって3ヶ月ほどしてから引継予納金を積み立てることが命じられるのが一般的です。引継予納金ができた時点で裁判所に納めることになります。

引継予納金が納められるまでのあいだ、自己破産の手続きが進むことはありません。自己破産する人がお金を貯めて、必要な金額に達した時点で代理人などに渡してもよいのですが、代理人が毎月一定の金額を集めるケースが多いようです。

積み立てが間に合わなかったら?

とはいえ、やむをえない事情で定められた期間までに積み立てができないこともあるはずです。そのようなとき、裁判所で実施される審問時に積み立てが難しいことを伝えれば、さらに数ヶ月の猶予をもらえるのが普通です。

さらに猶予をもらっても積み立て不能の場合

さらに猶予をもらってもなお、積み立てができない場合もあることでしょう。その場合は、自己破産を取り下げるよう指示される可能性があるので注意が必要です。ただし、予納金の積み立てがどうしてもできない場合、裁判所の判断で税金を使うことが法律で認められています。つまり、個人の自己破産の手続きにかかる費用が税金で賄われる可能性がないわけではありません。

ただし、それは自己破産する人が病気などを患っていて費用の調達が困難な場合などに限られます。さらに猶予をもらっても予納金が用意できない場合は、収入があっても予納金を支払う意思がないと判断され、自己破産を取り下げることになると考えておいたほうがよいでしょう。

このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪

みんなに役立つ情報をお届けします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

あわせて読みたい関連コラム

掲載中のコラムを見る