どんな方法がある?企業再建のための債務整理で知っておきたい事

どんな方法がある?企業再建のための債務整理で知っておきたい事

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2018.07.04

企業再建のための裁判所が入る債務整理の方法とは

民事再生

裁判所に民事再生の申し出を行い、裁判所の監督の元で経営再建を目指す方法です。民事再生手続きを行うと、現在持っている買掛金や借入などの債務の返済をいったん止めた上での新しい返済計画の立案や、債務の一部免除を受けることができます。

債権者の中に、企業再建計画に反対する銀行などがあっても、多数決で再建計画の同意が得られれば申し出可能なことに加えて、倒産という形になりますが、経営陣は退陣しなくても良いので現在の経営陣が経営権を持ったまま企業の立て直しも可能です。

一方で、債権者だけでなく、企業の取引先にも影響がでるので風評被害を受けやすかったり、再建のための協力を周囲から得られなかったりするデメリットがあります。

また、民事再生申し出後の早期の黒字回復が可能、裁判所への予納金や公認会計士への報酬などの手続き費用や企業のしばらくの運転資金が必要なため、スポンサーとなってくれる企業や団体の協力が必須、債務の一部免除が受けられますが、免除対象とならない税金や社会保険料の滞納が少ないこと、の条件を満たさないと民事再生の申し出はできません。

特定調停

銀行などの債権者ひとりひとりと、裁判所の監督の元で交渉を行って再建を行う方法が特定調停です。裁判所が関わることで、交渉の場で債権者が無理な条件を出すことも少なくなります。

また、特定調停は特定の債権者に対して申し出るため、取引先などは巻き込まず噂も広がりにくい、担保の競売や強制執行の手続きを停止できるので、債権の担保として不動産が入っている時などにも有効です。

会社更生

民事再生法が施行される2000年以前には、株式会社が申し立てできる債務整理の方法には会社更生がありました。現在では民事再生や特定調停が会社更生に代わる債務整理の方法として用いられるようになったため、株式会社でも債務整理の方法として会社更生を選ぶ場合はほとんどありません。

特別清算

裁判所の監督の元で清算人が企業の全財産の売却と回収を行い、弁済額や支払方法を各債権者と個別交渉して和解する、または債権者集会で会社の提案を認めるかどうかを多数決で決定する方法が特別清算です。

和解条件や債権者集会で決まった内容に従って企業は債務を支払い、最終的には企業は消滅します。あらかじめ企業を解散させた上で、裁判所への特別清算の申し立てを行う必要があります。

裁判所の監督の元で清算が行われるので、債権者からの信用が得られやすい、裁判所への予納金が低額などのメリットがありますが、債権者の同意が得られない時にはほかの方法へ切り替えるため二度手間になる、企業経営者自らが清算を行うので反発する債権者が出る可能性があるデメリットもあります。

企業再建のための私的な債務整理の方法とは

任意整理

裁判所が関与する法的な手続きを取らずに、企業が債権者と直接弁済の方法や条件について話し合って債務整理を行う方法が、任意整理です。債権者からの了承が得られたら、会社の財産全てを清算して資金を作り、債権者へ平等に分配することで弁済ができます。

裁判所への申し立てをしないため、裁判所への予納金が不要であること、債権者からの了承が得られれば比較的柔軟な対応が可能なメリットがあります。一方で、債権者が多い場合や非協力的である時には利用できません。

また、全ての債権者からの同意が得られないと結局破産手続きをするしかないため、手間になってしまうことがあります。さらに、整理する債務によっては莫大な課税額がかかるため債権者への弁済ができない場合があります。

リスケジュール(リスケ)

一時的に企業の資金繰りが厳しくなった時に、銀行に一定期間返済負担を軽くしてもらう方法です。短期間で元の返済計画に戻ればリスケは有効ですが、事業収益の増収が長く見込めない場合は利益からではなく企業の資金を切り崩して返済していかなければいけないので、銀行からリスケを認められないことが多いです。

よって、月にどのくらいの利益が出るか、かつ利益の中からどのくらい返済に充てられるかを具体的に銀行へ提示できなければいけません。

事業再生ADR手続

民事紛争の際に裁判所を通じて訴訟を起こすのではなく、任意団体が当事者間に入ることで問題解決を行う方法に裁判外紛争処理手続ADR(Alternative Dispute Resolution)があります。

企業の再建のためのADR手続きには、事業再生ADR手続があり、経済省の認定団体である事業再生実務家協会 (JATP)が企業と銀行などの間に入り、無担保の債務の減免やリスケジュールを求めて、事業再生計画を立て直します。

事業再生ADR手続による再建には、債権者の全員一致での同意が必要なため、無理のある事業再生計画では同意が得られないことが多く、結局法的な手続きを選ぶ場合もあります。

中小企業再生支援協議会

「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)」に基づき、47都道府県に設置されているのが「中小企業再生支援協議会」です。

公認会計士や中小企業診断士などの常駐しているスタッフに事業に関する相談やアドバイス、専門家の紹介が受けられる窓口対応と、窓口対応の結果、根本的な経営体質改善が必要と判断された時には、企業再生計画の策定や銀行とのリスケジュールへの支援を受けられる再生計画策定支援へ進みます。

中小企業再生支援協議会に相談をしても、外部に相談したことが漏れる心配はないので気軽に利用できる、相談後も取引先への債権はカットにならないので引き続き取引が可能などのメリットがありますが、あくまで銀行との話し合い解決のための支援なので、全ての銀行の同意を得る必要があります。

企業再建のための債務整理を専門家に相談するメリット

企業再建のための最適な方法が分かる

企業の経営状態の建て直したいと思っても、抱えている債務総額や債権者の数、債権者や取引先の同意や協力の有無によって、最適な債務整理の方法は異なってきます。

債務整理にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、企業の経営状態を正しく把握した上で、最適な債務整理方法を選ばないと、経営状態がさらに悪化してしまったり、違う方法に変えるための手続きで手間や費用、時間がかかってしまったりもします。

企業再建のための債務整理や方法に詳しい弁護士に相談すれば、経営や債務状況に合わせた最適な債務整理や方法の提示が可能です。

幅広い対応ができる

債務整理は税理士や司法書士にも依頼できますが、弁護士なら法的な観点からの幅広い対応が可能です。また、企業再建のための債務整理方法として任意整理を行った場合は、140万円以下の債務額でないと税理士や司法書士は対応できませんので、弁護士に依頼すれば、企業再建の債務整理の選択肢のひとつとして、任意整理も視野に入れられます。

裁判所への複雑な対応も任せられる

民事再生や特定調停など、裁判所の監督の下で企業再建を目指す債務整理を選んだ場合は、裁判所への申し立てが必要です。法定代理人の中で裁判所への申し立てを行える「訴訟代理権」を持っているのは弁護士のみです。

企業再建のための債務整理のために、裁判所へ申し立てを行うには複雑な対応や処理も必要になりますが、弁護士に依頼すれば裁判所への申し立て、それに伴う諸手続きや書類作成なども一任できます。

企業再建のために適切な債務整理を行うには

企業再建のための債務整理の方法を、それぞれの特徴やメリットごとにご紹介しました。ここでポイントをまとめておきます。

裁判所に申し立てを行い、監督のもとで企業の再建を行う債務整理の方法には、民事再生や特定調停、会社更生や特別清算などがある。

裁判所を介さず直接企業と債権者の間でやり取りを行い、再建を行う債務整理の方法には、任意整理やリスケジュール、事業再生ADRや中小企業再生支援協議会の利用がある。

企業再建の債務整理の方法にはそれぞれにメリット・デメリットがあるので企業の経営や債務状況に応じた適切な債務整理方法を選ぶ必要がある。

弁護士に依頼すれば、企業再建の債務整理の方法として任意整理も選べる、適切な債務整理の方法を選べる、裁判所への申し立てや複雑な対応、書類の作成なども一任できる。

これらを踏まえて、企業再建のための債務整理を効果的に行ってください。

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